大変なときこそ、他人のことを考えられる人が 良いリーダーである…恩師の言葉が忘れられません

河邊 美穂子

KAWABE MIHOKO

株式会社くふうカンパニー

広報IR責任者

interview

野村證券株式会社にてエクイティリサーチ業務に従事後、2013年にクックパッド株式会社に入社、広報業務を担う。Retty株式会社を経て2019年に株式会社くふうカンパニーに入社、コーポレート部門の広報IR責任者として従事(現任)。

新卒で入った会社を半年で退職。
直感で選んできた道の中心にあったのは「人との出会い」

派遣社員からキャリアをスタートしたとか?

新卒で証券会社に入ったのですが、じつは半年で退社してしまったんです。個人向けの営業だったのですが、とにかく毎日目の前の数字を達成する、という働き方が合わず、次の会社も決めないまま辞めてしまいました。

当時は、世の中のことを知るには金融しかない、と考えていたので、証券会社の調査部をターゲットに職を探したのですが、新卒ですぐに会社を辞めた子が入れるはずもなく、派遣社員として野村證券の関連会社にアナリストアシスタントとして入りました。

週末に産業翻訳の学校に通い始めたのを機に、会社の先輩が野村證券の翻訳配信部門を紹介してくださいました。そこで1年ほど、アナリストレポートの翻訳をしているうちに、だんだんと自分もレポートを作る側に回りたいという欲が出てきました。上司に相談してみたところ、ポジションを探してくれることになり、数ヶ月かかりましたが、企業調査部の情報通信チームに配属となりました。

ITサービスセクター担当アナリストと共に、セクターの立ち上げから入り、立ち上げ後はさまざまな会社のIR担当者や経営者に会って取材ができるし、証券アナリストの資格も取り、途中で社員にも登用してもらい、自らレポートを執筆する機会も増え、恵まれた環境下で夢中になって働きました。

証券会社でキャリアを積んできたタイミングで、なぜクックパッドに転職を?

やはり外から会社を見ているだけでは限界があって…。事業会社に自分が入って働いてみたい、会社のことを自分の言葉で話せるようになりたい、と思うようになっていました。野村證券の先輩が先にクックパッドに転職していたご縁もあって、自分も行くことにしました。

配属は広報部で、そのとき今まで経験したこともないレシピ本の制作にも関わったのですが、それが転機になりました。レシピを細かく読み込む仕事を通して、レシピの作り手であるユーザーさんの想いや工夫、それを引き出すための細やかな機能の作り込みといった、サービスの価値をダイレクトに実感する経験になりました。

その経験を通じて、新規事業も含め、サービスの真の価値を感じながら広報活動ができるようになり、広報の仕事が楽しいと思うようになりました。

「この人と働きたい!」が、くふうカンパニー入社の本当の理由

▲くふうカンパニー取締役兼執行役CFOの菅間淳さんが河邊さんの直属の上司。様々なコーポレートアクションについて真剣に相談する中でも、時折ふっと盛り上がる瞬間が楽しいんだとか。

その後、Retty株式会社を経てくふうカンパニーにジョインしますが、きっかけは何だったのでしょう?

何に一番心を動かされたかというと、やっぱり人なのかな、と思います。証券会社での経験と広報での経験、両方を活かした働き方に進みたいと考えた時に、IRの仕事が頭に浮かびました。IRは未経験でしたが、クックパッドからのご縁だった菅間淳さん(現くふうカンパニー取締役兼執行役)と働けることは大チャンスだと思い、飛び込みました。

実際入社してみて、くふうカンパニーのいいところは?

「ユーザーファースト」が共通言語という点が、本当にいいなと思っています。さまざまな事業とか会社があり、一見するとバラバラなのですが「ユーザーファースト」という言葉や思想でみんながつながってるっていうのは稀有なこと。よくある「顧客第一」という意味ではなくて、自分達の成長の源泉として据えてるところがすごくいいなと思っています。

あとは、いい意味で貪欲。大きなプロジェクトをいくつも同時に走らせてしまったり、「その交渉、さすがに無理なのでは?」と思うことも、あらゆる手をつくして理想の形に持っていこうとする。その執念はすごいし、ミラクルみたいなことも結構起こるので。

▲くふうカンパニーの受付入り口には、さまざまなサービスが受賞したトロフィーが。

現在のお仕事内容を教えてください。

コーポレート・コミュニケーション部というところで、広報やIRを中心に、グループの対外的なリレーションを担当しています。

具体的に言うと、広報ではグループ内の各事業責任者と連携しながら、サービスの認知を高め、ファンになってくださる方を増やしていくための活動をしています。

またIRでは四半期に一度、各事業責任者と相談しながら決算資料を作ったり、説明会を開催したり、機関投資家やアナリストの方々との面談をしたりもしています。年に一度の株主総会も、部のメンバーで協力しながら事務局として進行しています。

また、M&Aをはじめとするコーポレートアクションも活発なので、そういったプロジェクトにジョインして議論しながら進めることもしていますね。最近では、サステナブル経営に関する取組みも、メンバーと一緒に人事チームと連携しながら推進しています。

▲河邊さんと同じ部署の芳賀由麻さん、人事部部長の岩森真澄さん。女性3人で集まっていつもわいわいガヤガヤ盛り上がっています。

人とのコミュニケーションが、河邊さんを支えているように見えます。

20代はいろいろありましたので、一人で生きていかなきゃと肩に力が入っていましたが、じつは人の運にとても恵まれていたなと思っています。

証券会社時代から、相談すると自分の興味関心に近い環境に導いてくれる人が常にいてくださいました。そして、それは期待してくれているからこそと思うので、その気持ちに応えたいな、もっとできるようになりたいなと思いながら働いてきました。そういう人との出会いに動かされ、今の自分がいると思っています。

忙しい日々の中でも、
人のためにちょっとでも動ける自分でありたい

日差しがたっぷり入るくふうカンパニーオフィスのオープンスペースにて。窓からは東京タワーも見えてとても気持ちいい空間。

これから、どんなリーダーになっていきたいですか?

良く思い出すのは、私が尊敬する女性の一人である、大学の先生の言葉です。卒業間近な時に、「みんなに良いリーダーになってほしい。良いリーダーというのは、自分がどんなに大変だったり苦しい時にあっても、人のためにちょっとでも動くことができる人なんだよ」という風におっしゃったんです。

正直、働いてると、いっぱいいっぱいになることも多いし、大変なことだらけです。それでも相手を思いやって行動できる人になりなさい、ということだったんだなと、今こそその言葉が胸に沁みます。

実際、お世話になった方々は、みんなそうでした。自分より先輩方の方が絶対に重い仕事を抱えているし、忙しくて大変なはずなのに、話を聞いてくれるしアドバイスをくれるし、動いてくれました。そういう人に私もなりたいというのは、長年仕事をしてきて強く思うことです。

ちなみにとても忙しそうですが、1日のスケジュールを教えてもらえますか?

家が少し遠いのと、証券会社時代からの習慣もあって、5時半に起床します。6時半に家を出てロマンスカー(小田急線特急電車)に乗り、車内でメールチェックなどしつつ、8時半ぐらいに出社。9時半からは、毎日広報メンバーと朝会を行い、午前中はくふうカンパニーやグループ会社の役員会などがあるので、出席しています。

午後はほとんどミーティングで、メンバーとの1on1も行います。

午後6時半以降はなるべく会社には残らずに、ちょっと飲みに行ったりしようと心がけてはいますがなかなか…。エンドレスに働いてしまいがちな自分を(苦笑)、どうリセットさせるかが目下の課題だと思っています。

リモートワークも、もちろん併用しています。現状はリモートの方が割合が多く、メンバーの中にはフルリモートの人もいます。

今後やっていきたいことを教えてください。

今は、「くふうカンパニー」というブランドを作っていこうとしている時期なので、そこには主体的に取り組んでいきたいと考えています。広報からも、IRからもそれぞれのアプローチがありますし、また経営管理や企画的なアプローチもあるかもしれないので、自分の経験してきたことを組み合わせながら、新しいものを取り入れつつ挑戦していきたいですね。

もちろん、ずっと先の未来まで維持できるブランドを構築していくことは簡単ではないし、すぐに叶えられることでもないと思っているので、じっくり取り組む意義ややりがいがあると思っています。

まだまだこれからも、新しい挑戦、新しい出会い、新しい未来がありそうですね。

河邊さん、働く本音、教えて!

ストレスを感じることはありますか?

プロジェクトに関わるようなケースで、情報共有が足りないと、結構私はストレスを感じるかもしれません。やっぱり目的とか全体感とか、そういうものが見えない中で動くのは難しいなって感じます。だいたい、つっこんで聞いてしまいますが(笑)。

ストレス解消法は?

河邊:気心の知れた人たちと一緒に美味しいものを食べることでストレス解消しています。

当日に突然声をかけても、同僚や先輩はもちろん、先述のCFO菅間さんをはじめ、役員のみなさんも意外と来てくれますし、みんなで仲良く楽しみながら。割とフランクな会社なので楽しいですね。

▲美味しいものを食べながらワイワイおしゃべりはやっぱり楽しい!辛いものを食べてデトックスするのも大好きだそう。

お休みの日はどう過ごしていますか?

午前中にだいたいショッピングセンターへ。グループが運営しているメディア「くふうLive!」の愛読者でもあるので、100円均一やスリーコインズなど、紹介されていたグッズをすぐに買いに行ってしまいますね。また、犬を飼っているので、ドッグランに行ったり。とにかく愛犬「ニコ」との時間が私にとっては最大の癒しの時間です!

▲日々の仕事の疲れを癒してくれるのはニコ。ニコの話になるとデレデレになってしまう河邊さんでした…      

————————–

取材:尾崎真佐子 撮影:三上望

other interview

その他の社員インタビューはこちら